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UXデザインワークショップ導入事例

UXデザインワークショップ導入事例

株式会社DECENCIA

施策単位の議論から顧客体験を軸にした議論へ

株式会社DECENCIA様は、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスの一員として、敏感肌専門ブランドを展開されています。オンラインを中心とした顧客接点の強化にも取り組まれており、今回はECサイト(公式サイト)の役割をユーザー視点で整理することを目的に、UXデザインワークショップにご参加いただきました。 ワークショップにはマーケティング、ブランドデザイン、カスタマーサポートなど複数部門から計5名の方にご参加いただき、部門横断でユーザー体験を起点とした検討を行いました。本記事では、参加者の小野寺様・内田様、オブザーバーとして同席いただいた御代田様・吉村様にお話を伺いました。

ワークショップに興味を持ったきっかけ

ECサイトリニューアルの検討タイミングで、サイトの役割をユーザー視点で整理したかった

DECENCIA様がワークショップへの参加を検討されたのは、ECサイト(公式サイト)のリニューアルやシステムのリプレースを検討していたタイミングで、「ECサイトをどのような役割として位置づけるべきか」という点がまだ明確になっていませんでした。

これまで社内では、新規顧客獲得の施策、CRM施策、商品プロモーションなど、施策単位での議論が中心で、「ユーザーにとって公式サイトがどのような体験の場になっているのか」という視点で議論する機会はあまり多くなかったといいます。

加えて、定期購入ユーザーが多く、サイトへのアクセスは「手続きのときだけ」になりがちという課題感もありました。

そこで、ユーザー視点でECサイト(公式サイト)の役割を整理し、今後どのような体験を提供していくべきかを改めて考える場として、今回のワークショップを導入いただきました。


全3回のワークショップでユーザー体験から施策まで整理

DECENCIA様とのオリエンテーションを通して、ワークショップでユーザー視点で整理する内容は以下の2点に絞りました。

  • サイトを訪れたときにどのような体験を提供するべきか
  • 新しい商品や情報に自然に触れてもらう導線は作れないか

この2点の課題を検討するにあたり、これまでチーム横断で実施してこなかったユーザー像の共通理解の構築からはじめ、全3回にわけて以下の流れでワークショップを実施しました。


【ワークショップ1回目】定期購入ユーザーの「本当の姿」とは?

1回目のワークショップでは公式サイトを利用している既存の定期購入ユーザーを対象に、ペルソナ(顧客像)と価値仮説の設計を行いました。 

今回は、美容に対して非常に高い熱量を持つ層ではなく、「美容に対する熱量はそこまでないが、自分に合ったスキンケアを『大きく失敗せず』続けたい女性」というリアルな顧客像を中心に検討しました。

ワークショップを通じて、定期購入ユーザーが持つ課題やニーズの解像度が上がるとともに、参加メンバー全員が腹落ちできる内容にアップデートできました。

観点

ワークショップ前

ワークショップ後

ユーザー理解

スキンケアへの関心は高くないが継続利用しているユーザー

大きな不満はないが、自分に合ったケアを「失敗せず」続けたいユーザー

ユーザーが抱えている課題

定期購入商品の在庫管理が面倒

商品の使用頻度がまちまちなため、定期購入をスキップしてしまうことが多い。使用量の正解がわからず自己流

行動特性

毎日忙しい中でも自分の肌を労わりたい

自分の肌の調子は気になるが、自分から情報を調べたり相談したりする行動はほとんどない

商品選択の心理

使用ペースが安定しない

敏感肌のため新しい商品選択に不安がある

ニーズ

定期購入は便利だが、ワクワク感が薄い、マンネリ化しやすいのでそこから脱却したい

自分に合ったスキンケアの「正解」を知りたい

サイトに期待する役割

定期購入の管理をサポートする

判断を支援する情報を自然に受け取れる場

提供価値の方向性

運用負担の軽減

判断負担の軽減


ワークショップの成果として特に大きかったのは、定期購入ユーザーの課題を「操作や運用の問題」としてではなく、「判断や情報理解の問題」として整理し直せたことでした。
その結果、以降のカスタマージャーニーマップ設計や施策検討につながる共通の判断軸を整理することができました。

【ワークショップ2回目】カスタマージャーニーマップで理想的なサイト体験を可視化

2回目のワークショップでは、1回目で整理したペルソナ・価値仮説をもとにカスタマージャーニーマップを見直し、ユーザー体験の課題と改善の方向性を整理しました。

主な変化は以下の通りです。

観点

ワークショップ前

ワークショップ後

課題の捉え方

回遊されない、情報が届かない

判断に必要な情報が不足している

接点の整理

ページ単位での整理

行動・心理の流れに沿った整理

改善ポイント

導線・UI改善

判断支援のための情報設計

レコメンドの役割

商品紹介

次に取るべき行動の提示

サイトの役割

手続き・閲覧の場

継続利用を支える体験接点

当初は「回遊されない」「情報が届いていない」といった課題として整理されていました。しかし議論を進める中で、ユーザーはそもそも化粧品の比較検討を積極的に行うタイプではないことから、比較検討のための情報ではなく「自分に合っているかを判断する情報」が不足している状態にあることが見えてきました。

その結果、公式サイトの役割も単なる手続きや商品閲覧の場ではなく、「ユーザーが安心して使い続けるための判断を支援する接点」として捉え直され、改善施策の方向性を具体化することができました。

【ワークショップ3回目】抽出した課題をもとに具体的な施策を整理

3回目のワークショップでは、2回目で整理したカスタマージャーニーマップをもとに、ユーザー体験上の課題を具体的な改善施策案として整理しました。

多くの改善施策案を出し合い、それぞれの施策について、

  • ユーザーへのインパクト
  • DECENCIA様が企業として取り組むべき優先課題

の観点から議論を重ね、今後どこから着手するべきかの共通認識を形成することができました。

全3回のワークショップを通じて、ユーザー理解から施策の優先順位づけまで、一貫した議論の流れを築くことができました。


参加者の声:モヤモヤが言語化された

参加者からは、これまで感じていた課題を整理し、言語化できた点が印象に残ったという声がありました。

自分の中でぼんやりしていた課題を可視化できた。

他のメンバーも同じ課題感を持っていることが分かった。

ジャーニーを整理することで課題と施策をつなげて考えられた。

マーケティング、CRM、カスタマーサポートなど複数部門のメンバーが参加し、ユーザー体験を軸に議論することで、部門を越えた共通認識を持てる機会としていただけました。


オブザーバーの声:UXという視点で議論すること自体が新しかった

今回のワークショップには、実務担当者だけでなく管理職の方々にもオブザーバーとしてご参加いただきました。

これまでDECENCIA様では、新規施策やCRM施策など個別の取り組み単位で検討が進むことが多く、公式サイトという顧客接点を起点に、ユーザー体験の流れに沿って議論する機会は多くありませんでした。

参加された管理職の方からも、

公式サイトのような顧客接点を主語にして議論できたことが新鮮だった。

ペルソナのところがポイントだったと思う。ワークショップに参加するまでは、ペルソナが1日何時間くらいスマホを触るのか、ITリテラシーがどれくらいか?と言った具体的な要素まで言語化したことがなかった。

そのため、社内でペルソナの話をするときに、どうしても習慣的にスキンケアや商品との向き合い方と言った要素に寄ってしまいがちだった。

それに対して、公式サイトを使うユーザー像を定義したことでスキンケアという観点に引っ張られづらくなったし、それぞれのメンバーが何となく考えていたことが大きく外れていないことの目線合わせができたのはよかったと思う。

という声があり、ユーザー体験全体を軸に検討を進めるための共通の視点を持つ機会としていただけました。


ワークショップを担当したUXデザイナーのコメント

ワークショップでは、参加者の皆様に課題を「自分ごと」として捉えていただけるかどうかが、成果を左右する重要なポイントです。 

DECENCIA様は、全員が前のめりに議論に参加してくださり、 充実したディスカッションができたと感じています。 

今後もクライアント様の課題解決に寄り添えるよう努めてまいります。



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